給料の遅れや賃金未払いが起こったら、会社に対して内容証明という書類を出してみましょう。
※この記事は、給料未払いに遭っている人に向けて書いています。
イキナリ内容証明を送りつけるのはハードルが高いと思うので、まず最初は自身の上司や経理の担当の方に、未払いや遅れの理由を聞いてみましょう。
基本的なことですが、自分の置かれている状況を整理するためにも、凄く大事なことだと思います。
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悪意ある理由での未払いや遅延ではない場合、内容証明を突然送り付けると会社との関係性が悪化してしまう可能性もあります。
人間関係は会社で働く上で凄く大事だと思いますので、順を追って進んでいった方がいいと思います。
この記事では内容証明の書き方についても解説していきたいと思います。
内容証明とは?
まず最初に、内容証明郵便は記録として残るものです。
書き方にもルールがあり、一度配達されるとそれが記録として郵便局にも残ることとなります。
「誰が誰に向けてどんな内容を送ったのか?」
それを公的な場に記録として残す必要がある場合などに用いられるものです。
どのような時に使われるかというと、
・給料未払いや賃金の遅れが発生している
・相手方がこちらからの催促や連絡を無視している
・損害賠償を請求したい
・裁判の可能性を踏まえ、証拠として記録に残しておきたい
といった時です。
給料未払いが起こっているにも関わらず、会社側がそれに対してアクションを起こしていないという前提で考えていきましょう。
悪質な会社であれば、社員の給料など平気で無視します。
中には「営業の成績が悪いから払えないんだ!」といった責任転嫁するような会社もあると思います。
それとは反対に悪意なく、売上が低迷していて支払えない場合も勿論あるでしょう。
同情の余地がある場合も勿論あると思いますが、あなたは雇用契約を結び、仕事内容に納得してその業務を行ったのです。
成績が悪いとか、売上が少ないとか、会社で雇われている以上そういったことは関係ありません。会社側は給与を支払う義務があるのです。
そうでなければ、フリーランスとして自営業しているのと何も変わりがないと思いませんか?
賃金未払いに対して内容証明を送る段階であれば、会社がブラックである確率は結構高いと思います。
今後裁判に発展していくことも踏まえて、やはり記録に残しておくことが懸命でしょう。
「請求に応じない場合、法的措置もいとわない」といった自らの意思を文書として明確化することで、相手側に対して威圧を与えるものが内容証明と考えていいと思います。
内容証明の書き方
それでは、書き方について解説したいと思います。
まず、内容証明には「絶対にこの形式でなければいけない」というフォーマットは存在しません。
原稿用紙にペンで書いてもいいですし、ワード等のパソコンのツールを使って書いてもいいと思います。
給料未払いに関わらず、各種テンプレートはインターネットに沢山落ちています。
大抵は無料だと思うので、それをダウンロードして使ってもいいでしょう。
ちなみに私は、下記サイトのものを使った覚えがあります。
内容証明のテンプレート|無料ダウンロードは書式の王様
ただし、書き方には原則があります。
縦書き、横書きいずれも「1行20字以内、1枚26行以内であること」が内容証明として認められる条件です。
内容証明が複数枚に渡る場合も同様で、この原則は守る必要があります。
ただ、枚数が増えるとその分内容証明郵便代も高くなってしまいます。
実際に、私が書いた内容証明の例を載せます。
Webでテンプレをダウンロードして、実際にこの内容で郵送してもらいました。
元は遅延損害金や未払い月の給与総額等も細かく記載していましたが、色々書きすぎて3枚ぐらいになってしまったので、結果的にはシンプルになりました。
絶対に必要なものは、
・記載日
・相手の住所氏名
・送り主の住所氏名押印
・給料未払い等に関する内容
・請求したい合計の金額
あたりでしょうか。
会社に対して給与未払いで内容証明を送る場合は、謄本に記載されている代表取締役
に充てるといいでしょう。
支払期限に関しては必須ではないようですが、期限を設けることで次の手段に出やすくなります。
ただ、この内容証明も強制力がある訳ではありません。そして、送ったからと言って相手が確実に受け取ってくれるかどうかもわかりません。
あくまで自分の意思表示の一つであるという点を意識した方がいいと思います。
また、内容証明は弁護士に書いてもらうことも可能です。
その場合は料金が発生すると思いますが、もし自分で書くのが心配だと感じた場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
内容証明の料金はいくら?
私の場合、内容証明は一枚でした。
そのため、郵便代と一般書留の料金、内容証明の料金を合わせて大体1,500円しないぐらいだったと思います。
ちなみに2枚目以降の内容証明料金は1枚260円です。
また、配達証明(310円)を利用することもできます。
これは「○月○日に確かに配達をしました」という証明を手紙の差出人に行ってくれるものです。
私は利用しなかったのですが、これ実は結構重要です。
というのも、受取人が「内容証明など受け取った覚えはない」とシラを切る場合があるからです。
内容証明といえど、受け取っていないと相手に言われてしまうと効力はありません。
手紙を出した時も同様ですが、いつ受け取ったかを差出人が知ることはできないですよね。
第三者的な立場でそれを証明してくれるのが配達証明です。
少し料金はかかってしまいますが、できるのであればこれは付けておいた方がいいと思います。
内容証明の送り方
内容証明を送る時は、コピーが3部必要です。
一枚は、相手方に送る内容証明。
そしてもう一枚は、こちら側で控えとなるものです。
3枚目は郵便局で保管してもらうものとなります。
よく相手方と郵便局側で2枚必要と書いてあることもありますが、自身でも内容証明は保管しておいた方がいいと思います。
内容証明を封筒に入れ、郵便局に「内容証明で出したい」と言えば、あとは局員の方が確認してくれます。
ちなみにこの時少しだけ時間がかかります。急いでいる時にやることはないと思いますが、場合によっては数分待つので余裕を持っておくといいと思います。
まとめ
内容証明にも強制力や実効力といったものはありません。
ただ、自分の意思表示として相手側にかなりプレッシャーを与えることはできると思います。
だからこそ、ステップを踏んでから行いたい方法でもあるでしょう。
繰り返しになりますが、まずは自分で会社側に確認をすることが大事です。
そして状況を踏まえてしっかり整理した後、内容証明を送る方がいいと思います。
もし内容証明を送っても何のアクションも得られない場合は、更に次の手段に進んでいくことになりますからね。
続きはまた書きたいと思います。